グループ診療システム
現代医療では、各診療科の専門性が高くなっていて、患者様がご自分の体調の不安をどこの診療科に相談すればいいのかわからないという話を耳にします。そういう意味で、今求められているのは、病気はもちろん心身の不調など、健康に関するさまざまな悩みを何でも気軽に相談できる総合的な医療、つまり“プライマリー・ヘルス・ケア”の充実であると考えます。
「国立メディカルセンター」は、“グループ診療”という形態で、病院と診療所の利点を併せ持つ医療施設をめざしています。それぞれ専門の開業医が患者さまにより身近な対応を行い、さらに同じ施設で診療に当たることによって、各診療科の連携と、高度な医療機器の共有など、より質の高い医療の提供ができるよう努めております。
江戸時代の享保、小石川養生所に「赤ひげ」と呼ばれ活躍した医者がいました。私たちは地域医療の原点として、市民に頼りにされたこの医者の生きざまに近づこうと思っています。
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国立メディカルセンター創立者
医療法人社団 鴻鶴会 初代理事長
- 内野 鴻一
グループ診療システムとは
診療所の次世代システムとして注目を浴びている開業医のグループです。
医療部門とサービス部門をはっきりと区別し、医師が医療のみに取り組める体制をとっています。病院システムと診療所システムの利点を合わせることにより、診療所でありながら高度の機能を有することが可能となりました。たとえば、MRIおよびCT等は診療所でも使用でき、また、専門医同士が連携することによって、それぞれの専門性と高度な技術が活かされた診断や治療が提供できます。患者さまはどの診療科を受診されても、その情報は各科で共有することが可能なためより安心です。
さらに、サービス部門は独立しており、サービス業としてのクオリティーの高い接遇により、心地良いサービスが享受していただけることと思います。
グループ診療システムの良さを理解され、よりレベルの高い医療とサービスをご堪能いただければと思います。
展望
現代医療は少子高齢化の中で、さまざまな課題をかかえているといえます。高齢者の増加は、ケアを必要とする人が増えているということであり、少子化は高齢者を支える人口の減少を意味します。
大病院での診療を希望する患者さまが多い中、地域医療においては、「近くのかかりつけ医」の存在が重要視されつつあります。当センター内の各科の活動も、より高度なものが求められ、さらに往診科の必要性も高まっています。外来中心と入院中心の区別が明確になってきた高度化した医療業界において、当センターでは、高機能の外来中心および往診に力を入れ、地域のご要望に応えられる体制づくりをめざしております。機械化できるものは徹底して機械化し、つまりハイテクノロジーを駆使するとともに、人間が人間に対応するローテクノロジーを大切に、患者さまにより良いからだと心のケアをご提供できるよう努めてまいります。